2017年12月10日

駒場祭回顧5 @いっとう機長

 こんにちは、一等星投影機(略称:いっとう)機長の高井です。このブログに寄稿するのは8ヶ月ぶりですね。前回は観測所メンテツアーについて書きました。今回は、いっとう機長という視点から駒場祭準備から当日、片付けまでを振り返ってみようと思います。
 駒場祭を振り返る前に、今年のいっとうについて紹介しようと思います。今年は、自由雲台から筒、LED、銅板、レンズに至るまで全て取り替えて、投影機を一から作りました。投影機を一から作るノウハウはあまり引き継がれていなかったため、投影機を作る作業のほとんどは手探り状態でした。駒場祭が近づくにつれ、コツや工夫の仕方がわかるようになり、質の高い投影機を作成できるようになりました。こうして23個の投影機と予備3つを作成し、万全の態勢で駒場祭に臨みました。


 2017年11月23日、木曜日。28はどうしてこんなにも雨にゆかりがあるのだろう。朝の天気は雨。雨の冷たさと底冷えする朝の寒さに耐えながら、せっせと第二体育館へと荷物を運び込む。第二体育館は室内といえども、通気性がバツグン。吐く息は時に白い。まだ温まったばかりのカイロのほのかな温もりに助けられ、第二体育館にカーペットを敷き、ドームを展開する。今年の前日準備は祝日だったということもあり、たくさんの部員が来てくれた。おかげさまでドームの展開のとき、人手が余ったので皆の写真を撮ることに専念できた。40人を仕切るドーム長前田かっこよかったね。
 ドームがある程度膨らんだら、かごしいと呼ばれる投影機の土台の組み立てを開始。そこにいっとうを仮の位置で設置し配線する。毎年問題となっている投影機同士の干渉を最小限にするため、各投影機の位置を予測して事前に場所を決めておいた。その結果スムーズに投影機を設置することができた。ひと段落してドームを出たら14時。ドームもきれいに膨らみ、補助投影機の調整が始まる。その時間で渋谷へおつかい。おつかいを終え、体育館へ戻るとすでに恒星投影機の調整が始まっていた。恒星投影機の調整がある程度進まないと一等星の位置も決めることができないので、それまでいっとうは休憩。深夜から早朝にかけてのいっとう調整の時間に備えて、仮眠やシャワーを浴びるなどした。途中で27の方が差し入れを持ってきてくださいました。ありがとうございました!皆で「今年の差し入れ、すごくセンスがいいよね〜」と話していました。

 気づけば日付は変わって11月24日、金曜日。夜が更けるにつれ下がる気温。そんな中、夜を徹しての準備は体に堪える。深夜は特に恒星投影機の正念場で、細かな調整やエッチング本当にお疲れ様でした。例年通り、予定は押してしまい、早朝4時、満を持していっとうの調整を開始した。恒星投影機の映し出す2~7等星の星空に対し、正しい位置に一等星を正確に配置していく。一等星が本来の位置より星一つ分だけでもずれると違和感をお客さんに与えてしまうため、この作業は案外大変なものだった。特に位置がシビアなのが、オリオン座をはじめとする冬の星座たちの一等星。星に少し詳しい人にとって、一等星同士の細かい位置関係のイメージは確固たるものなので、なかなか妥協することは許されない。一度正しい位置に調整しても投影機がグラついてしまい場所がズレてしまうなど、一筋縄ではいかなかった。しかし、大変な作業ではある一方、脚立に上り投影機を微妙に動かして星を配置していく作業はとても楽しいものだった。一つ一つ一等星を夜空に置いていくごとに、プラネの星空がより引き締まり、見慣れた星空に近づいていく。「あぁまさに今自分が星空を作っているんだなぁ」という実感に包まれ、とても心地いいものだった。去年27の先輩たちが調整している様子を端から見ていて格好いいなあと憧れていたので、夢が叶って夢見心地であったのかもしれない。
 調整をしていると時間が経つのは一瞬で、恒星投影機・銀河投影機と同時並行しておこなったいっとう調整が終わったのは、11時のことであった。敢えなく初回と第2回公演は中止となってしまった。その後、銀河投影機や星座絵投影機が短い時間で調整を終え、初回公演の時間12:50になった。銀河投影機や星座絵投影機は十分な調整を行えず悔しそうにしているのを見て、申し訳ない気持ちになった。
 そんな中迎えた初回公演。無事終わるか不安でたまらなかったが、皆の頑張りのおかげで何も問題なく終えることができた。調整する時間がほとんどなかった星座絵や天の川も、何とか間に合わせて点灯することができたのだ。星座絵とぎんとうの意地を知り、舌を巻いた。本番直前に練習の時間がほぼなかったソフトや補助投影機もスムーズに動いていて、ただただ感嘆するばかりだった。皆の力を実感した瞬間でもあった。
 その後大きな問題もなく迎えた金曜日の最終公演は、最初のライブ解説であった。この公演に向けて公演の合間合間を縫って調整を続けた星座絵の奮闘や、入念な練習をしたであろう解説者の頑張りのおかげで、素晴らしい公演になった。この日はあまりに疲れていたので、少しの調整を終えた後、帰路についた。

 11月25日、土曜日。朝7時に集合し、夜中に恒星投影機が再度細かい修正を加えてくれた分いっとうも調整。この日は何と言っても、自分のライブ解説の日であった。他の人のライブ解説を聞いていたが、皆どれもクオリティが高く、面白いものばかりだった。自分の公演が近づくにつれ高まる緊張。一回外へ出て、屋台に食べ物を買いに行って戻ってきた時、体育館の前でちょうど自分の回の整理券が配布されていた。その整理券に対して長蛇の列。それを見て、屋台で買った食べ物が急に喉を通らなくなった。わざわざ1時間前に来て整理券をもらうために並んでいただいたお客さんたちを満足させられるようなライブ解説ができるだろうか。不安になった。
 練りに練った自分たちの原稿を信じて、いざ公演に臨んだ。自分の公演では、小学生から中学生ぐらいの年齢の男の子たかいくんが、佐藤さん演じる博士の家のプラネにお邪魔する、という設定だった。(随分と低い声の男の子ではあったけど笑。)ドームの大きさから春・夏・秋・冬すべての星座まで、プラネのすごさ・良さを余すところなく伝えようと思って仕上げた原稿。そのため、各投影機に対してたくさんの注文をしてしまった。星座絵には15個もの点灯、ソフトには11個ものBGMやSE、日電には2回の星空回転、補助投影機にも細かい指示、などなど。皆の助けによって、無事うまく行くことができました。プラネの底力・すごさを見せつけることができたと思います。本当にありがとうございました!あと、ライブ解説のペアだった”博士”こと佐藤さん。たくさんのセリフをお願いしてしまってごめんなさい笑。そしてありがとう!楽しかったです!
 土曜日の最終公演、OB・OG公演、記念撮影も終え、残るは一日。時が経つのは早い。初めて千里眼に夕飯を食べに行き死にそうになった後、プラネに残った。この夜の作業は、さらにプラネの星空に磨きをかけていく作業。微妙なずれを皆で話し合って修正していく。途中で帰るつもりであったが、空調の音だけがこだまするプラネに数人が取り残されたあの空間・数時間後には呆気なくなくなってしまうこの空間をもっと堪能したくなり、結果朝までドームの中で過ごしてしまった。

 久々にドームを出ると気がつけば朝。11月26日、日曜日。駒場祭最終日。カラスの鳴き声が聞こえる。と同時に寝袋にくるまり眠りについた。
 日曜日は特別時が経つのが早かった。午前中寝ていたからでもあるけど。公演が終わるのも早いからだ。最終公演は14時半。たくさんの28が惜しむようにドーム内へ入る。お客さんも多い。落ち着いた二人の解説に聞き惚れていると、あっという間に終わってしまった。その公演の最後二人が言った言葉、詳しくは忘れてしまったけど、感動して本当にうるっとしてしまった。ありがとう。
 最終公演が終わったら、すぐに片付け開始。3時間で片付けなければならないからだ。申し訳ないと思いつつ、プラネを見ることができなくて残念がるお客さんを尻目に、ちゃちゃっと片付ける。本当にすぐだった。一瞬のうちにかごしいから全部の投影機が取り外され、ドームドアも外され、ドームもしぼみ、展示も運ばれ、カーペットもたたまれた。感傷に浸る余地も与えないほど慌ただしく駒場祭は終わった。


 とっても長くなってしまいましたが、駒場祭期間を自分なりに振り返ってみました。駒場祭が終わったあと、写真を整理したり、タイムラプス動画を作ったりしていると、「あぁ終わってしまったんだなぁ」という実感が湧いてきます。そして、今思い返してみるとプラネが成功したのは本当に奇跡だったように思えます。百人近くの部員が携わり、それぞれの担当の投影機で頑張ったからこそ成し得た奇跡だなぁと思います。本当に皆に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。是非ともこの奇跡を来年以降も紡いでいってほしいなと思っております。
 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記

2017年12月09日

駒場祭回顧4 @星座絵機長

こんにちは、星座絵投影機こと…って光る主投影機の中で星座絵だけ略称ないじゃないですか、悲しい。それは置いておくとして、28代星座絵投影機機長の河合です。今回は駒場祭を振り返っていきますよー。

【前日準備〜1日目】
今年は運のいいことに、前日準備の日が勤労感謝の日と重なったため、朝から準備を始めることができました。家も近いことだし一番乗りしてやる...!と意気込んで第2体育館に向かったのにそこには既にしばおの姿が…。惜しくも数分差で2番手だったようです。朝早かったにもかかわらず、28のみならず29もたくさん来てくれてうれしかったです。そこからは怒涛の準備が始まります。ドームを運び込んだり、下に敷くマットを運んだり、各投影機の荷物を持ってきたり、ドーム外の展示に使う段ボールパネルを100枚近く運んだり…
あっという間に「第2体育館」は去年と同じ、「駒場祭プラネタリウム」の会場へと変わっていきました。第2体育館はこの時期とても冷えるので各自が防寒のための毛布や寝袋などを持ち込んでいて、スタッフスペースは荷物であふれかえっていました。この、物の多さも天文部ならではの景色でしょう。お客様には見えないけれど。
雨が降っていましたが、今年から導入した台車を活用することで、ドームもパネルもマットも、濡れずに運び込むことができました。荷物の搬入と同時並行でドームの展開も行います。直径12mにもなる巨大なドームを40人がかりで広げ、膨らませていきます。この様子を記録に残すため、2体の階段の上にカメラをセットしタイムラプス動画を撮影しました。実は駒場祭期間中僕がカメラを使ったのはこの時だけです(体育館内が完成に至るまで取り続けていたら容量がなくなってしまったので)。
ドームが膨らんだら、投影機を搬入していきます。搬入したら、かごしい(ドームの中心部の大きな機械)に投影機を取り付けていく…のですが、星座絵は取り付け場所の都合でこうとう、いっとう、ぎんとうと同時には取り付けられません。この時間は昼ご飯を食べたりドームの膨らみ具合に気を配ったりして過ごしました。星座絵の時間は補助投調整の時間にやってきます。29代の部員たちが補助投を調整している間に星座絵投影機をとりつけていきます。それが終わると、長い主投調整の始まりです。こうとうから調整は始まるのですが、例年こうとうの調整には時間がかかり、夜を徹して早朝までかかります。今年もその例にもれず、こうとう、いっとう、ぎんとうと調整が終わり、星座絵の番が回ってくる頃には最初の2回分の公演を取りやめなければなりませんでした。補助投の最終調整もあるのであまり時間はかけられません。1時間半でなんとか、ずれこんだ初回公演で使う星座を含む13個の星座を合わせることができました。残念ながら2つ目の公演を含む3回の公演では星座絵を点灯させることはできませんでしたが、ライブ解説を含む5つの公演はすべての星座絵を点けることができ、まあ、悪くない出来かな、と。本当は全部完璧に合わせてやりたかったのですが、我慢です。さそり座のしっぽが奇麗に星の並びに合っていたのが嬉しかったですね。

【2日目】
一応2日目とは書きますが、1日目の最終公演の後の調整から始まる一日です。例によってこうとう・いっとう・ぎんとうの調整が終わってから星座絵のターンですが、さすがにこの日は初日よりは余裕がありました。翌日、つまり2日目に使う分の星座絵に絞って調整をしていきます。途中、回路がショートするなどのアクシデントもありましたが、日電長の須田君が助けてくれたのでなんとか調整を終えることができました。この日は星座絵のシフトに入ったり翌日のライブ解説の準備をしたりと、日中もなんだかんだ忙しくしていました。差し入れのお菓子やおにぎりがとてもおいしかったのを覚えています。この日はOB・OG公演もありました。星座絵は完璧…かと思いきや、それまで何事もなく投影されていたしし座があらぬ場所に投影されてしまっていました…悔しい。プレゼントや写真撮影で心温まるひと時を過ごすことができました。

【3日目】
これも2日目からの続きです!こうとうが調整を続けるのを眺めながら、僕は3日目の初回公演である、自分のライブ解説の準備を進めていました。この頃になると調整の辛さよりも星が本物の星空に近づいていくのを見る楽しさのほうが勝ってきて、心躍らせながら相方でもあるこうとう機長の森兼君が指示を飛ばすのを見ていました。かっこよかった。途中練習もしながら、星座絵も調整をします。なんと3日目は最終日にしてすべての星座絵を使う日でした。ということは32個すべての星座絵をきちんと合わせなければなりません。初日、2日目よりもハードな調整ではありましたが楽しく調整できたのは、ともにプラネタリウムを作り上げてきた仲間がいたからでしょうか。そしてやってきたライブ解説、機長同士のペアということでなかなか練習もできず、不安もありました。さらには体育館の隣のステージでロックバンドの演奏が行われるという悪条件の中、それでもお客様の笑い声、星空への感嘆の声が聞こえてきて、とても楽しく解説を行うことができたのでした。さすがに疲れもたまっていたので、解説が終わった後は2時間ほど死んだように眠りにつきます…
公演間の微調整も繰り返して迎えた最終公演、最後までこうとうの人たちが微調整していたいて座も星座絵とぴったり合い、完璧といえる形でプラネタリウムは幕を閉じました。やり遂げたという思い、これで終わりだという寂しさ、様々な思いが胸に込み上げ、涙がこぼれました。最終公演後に星座絵を全て同時に点灯してみせたときは部員からも驚嘆の声が聞こえました。星座絵を統括してきた身としては、最高の気分でした!

時間もないので片付けを急ぎます。ドームはあっという間にしぼみ、展示のパネルも一瞬で解体され、終わるときは早いのだなあとしみじみしました。体育館が元通り空になっていくのは非現実的にも思えて、駒場祭が終わったという実感はついに湧いてきませんでした。
ですが、実感はなくとも28代のプラネタリウムはこれで終わり。来年は29代が作り上げてくれるであろうもっときれいな星空に期待をしつつ筆をおきます…
最後までお読みいただきありがとうございました。

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posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記

駒場祭回顧3 @こうとう機長


こんばんは、恒星投影機(こうとう)の機長をしておりました森兼です。広報担当もしておりました。さて、天文部最大のイベントであるプラネタリウムは今年も無事成功を収めることができました!それについて振り返っていきますが、駒場祭当日の模様は他の人が書いてくれたこともあり、僕はこうとうにフォーカスして振り返ろうと思います。こうとうとはプラネタリウムの中で、一等星と天の川以外のすべての星を映している投影機です。以下こうとうで通します。


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引継ぎ(4月)から振り返るとキリがないし、こうとうが本格始動した8月から振り返ってもやっぱキリがないので、やはり駒場祭前日からのスタートですね。
こうとうは例年作業量が多く前日、あるいは当日までもつれこむのですが、今年は特にギリギリでした。どうギリギリかはさておき、こうとう以外の人がみんな前日準備に奔走するなかこうとうだけなんにも手伝わず無限にチマチマやっていてとても申し訳なかったのを覚えています。

そんなわけでいろんな人に迷惑をかけつつ、時間ぎりぎりまで準備、調整した結果何とか星空が完成しました。こうとうの調整は例年大変に時間をとっているのですが、今年はとある改善をいたしまして、早く終わる……はずだったのが僕の段取りが下手くそすぎて結局プラマイゼロでした。かなc。

こうとうはじめメインの投影機は、1日目、2日目の公演後もさらに調整を挟みます。再調整、再々調整です。初日の星空は「星座が結びづらい」とのことで、「星座を結ぶ星だけちょこっとデカくする」セコい作業をしていました。セコいですが、うちのこうとうはどうしたって実際の空よりコントラストはつきにくいので仕方がないことでした。
おかげか2日目、3日目の星空はとっても星座が結びやすく好評でした!プラネタリウムは星座が結べないとマジで面白くない(たぶん)(神話鑑賞会になりそう)のでここでなんとか改善できてよかったです。微妙にずれていた星座も整えなおし、3日目には無事パーフェクトな星空がととのいました。
こうとうを直すと星座絵いっとうぎんとうも強制的に直すことになるのでそこは本当にすみませんでした。


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こうとうの醍醐味、というか嬉しいポイントはやはり明かりがいっせいに消え、星空が広がった時の お〜〜〜!! ですね。あれだけでやってよかったと思えます。
心なしか日を追うごとに歓声が増してった気がして、頑張って調整しなおした甲斐が……たぶん人が増えただけです。調整関係ないです。けれども公演で、星座を結ぶセリフのときに話す側は自信もってポインター指して、お客さんもこれか!と多分うなずいて、そこで一体感みたいなものが生まれていた気もします。星座でっかくしてよかったです。


作業をしてきていくつか目標をポコポコ立てていたのですが、最後にポコッと立った目標は「星座が結べる星空に!」でした。結局プラネタリウムは星座が結べないとマジで面白くない(たぶん)ので、星のムラをなくすとか、星の像をきれいに、とかよりも最終的には先駆けてデカくしていました。今年は星の数が例年より少なめ、ムラも残っていて完璧ではなかったけれど、しかし納得の出来でした。今年星座わかりやすいねってOBOG何人かおっしゃっていてやったぜと思いました。

前述のとおりいろんな人に迷惑をかけつつ今年のこうとうは完成しました。ありがとうございました。こんな拙文にチョロチョロ時間溶かしているあなたもありがとうございました。
posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記