2017年12月09日

駒場祭回顧4 @星座絵機長

こんにちは、星座絵投影機こと…って光る主投影機の中で星座絵だけ略称ないじゃないですか、悲しい。それは置いておくとして、28代星座絵投影機機長の河合です。今回は駒場祭を振り返っていきますよー。

【前日準備〜1日目】
今年は運のいいことに、前日準備の日が勤労感謝の日と重なったため、朝から準備を始めることができました。家も近いことだし一番乗りしてやる...!と意気込んで第2体育館に向かったのにそこには既にしばおの姿が…。惜しくも数分差で2番手だったようです。朝早かったにもかかわらず、28のみならず29もたくさん来てくれてうれしかったです。そこからは怒涛の準備が始まります。ドームを運び込んだり、下に敷くマットを運んだり、各投影機の荷物を持ってきたり、ドーム外の展示に使う段ボールパネルを100枚近く運んだり…
あっという間に「第2体育館」は去年と同じ、「駒場祭プラネタリウム」の会場へと変わっていきました。第2体育館はこの時期とても冷えるので各自が防寒のための毛布や寝袋などを持ち込んでいて、スタッフスペースは荷物であふれかえっていました。この、物の多さも天文部ならではの景色でしょう。お客様には見えないけれど。
雨が降っていましたが、今年から導入した台車を活用することで、ドームもパネルもマットも、濡れずに運び込むことができました。荷物の搬入と同時並行でドームの展開も行います。直径12mにもなる巨大なドームを40人がかりで広げ、膨らませていきます。この様子を記録に残すため、2体の階段の上にカメラをセットしタイムラプス動画を撮影しました。実は駒場祭期間中僕がカメラを使ったのはこの時だけです(体育館内が完成に至るまで取り続けていたら容量がなくなってしまったので)。
ドームが膨らんだら、投影機を搬入していきます。搬入したら、かごしい(ドームの中心部の大きな機械)に投影機を取り付けていく…のですが、星座絵は取り付け場所の都合でこうとう、いっとう、ぎんとうと同時には取り付けられません。この時間は昼ご飯を食べたりドームの膨らみ具合に気を配ったりして過ごしました。星座絵の時間は補助投調整の時間にやってきます。29代の部員たちが補助投を調整している間に星座絵投影機をとりつけていきます。それが終わると、長い主投調整の始まりです。こうとうから調整は始まるのですが、例年こうとうの調整には時間がかかり、夜を徹して早朝までかかります。今年もその例にもれず、こうとう、いっとう、ぎんとうと調整が終わり、星座絵の番が回ってくる頃には最初の2回分の公演を取りやめなければなりませんでした。補助投の最終調整もあるのであまり時間はかけられません。1時間半でなんとか、ずれこんだ初回公演で使う星座を含む13個の星座を合わせることができました。残念ながら2つ目の公演を含む3回の公演では星座絵を点灯させることはできませんでしたが、ライブ解説を含む5つの公演はすべての星座絵を点けることができ、まあ、悪くない出来かな、と。本当は全部完璧に合わせてやりたかったのですが、我慢です。さそり座のしっぽが奇麗に星の並びに合っていたのが嬉しかったですね。

【2日目】
一応2日目とは書きますが、1日目の最終公演の後の調整から始まる一日です。例によってこうとう・いっとう・ぎんとうの調整が終わってから星座絵のターンですが、さすがにこの日は初日よりは余裕がありました。翌日、つまり2日目に使う分の星座絵に絞って調整をしていきます。途中、回路がショートするなどのアクシデントもありましたが、日電長の須田君が助けてくれたのでなんとか調整を終えることができました。この日は星座絵のシフトに入ったり翌日のライブ解説の準備をしたりと、日中もなんだかんだ忙しくしていました。差し入れのお菓子やおにぎりがとてもおいしかったのを覚えています。この日はOB・OG公演もありました。星座絵は完璧…かと思いきや、それまで何事もなく投影されていたしし座があらぬ場所に投影されてしまっていました…悔しい。プレゼントや写真撮影で心温まるひと時を過ごすことができました。

【3日目】
これも2日目からの続きです!こうとうが調整を続けるのを眺めながら、僕は3日目の初回公演である、自分のライブ解説の準備を進めていました。この頃になると調整の辛さよりも星が本物の星空に近づいていくのを見る楽しさのほうが勝ってきて、心躍らせながら相方でもあるこうとう機長の森兼君が指示を飛ばすのを見ていました。かっこよかった。途中練習もしながら、星座絵も調整をします。なんと3日目は最終日にしてすべての星座絵を使う日でした。ということは32個すべての星座絵をきちんと合わせなければなりません。初日、2日目よりもハードな調整ではありましたが楽しく調整できたのは、ともにプラネタリウムを作り上げてきた仲間がいたからでしょうか。そしてやってきたライブ解説、機長同士のペアということでなかなか練習もできず、不安もありました。さらには体育館の隣のステージでロックバンドの演奏が行われるという悪条件の中、それでもお客様の笑い声、星空への感嘆の声が聞こえてきて、とても楽しく解説を行うことができたのでした。さすがに疲れもたまっていたので、解説が終わった後は2時間ほど死んだように眠りにつきます…
公演間の微調整も繰り返して迎えた最終公演、最後までこうとうの人たちが微調整していたいて座も星座絵とぴったり合い、完璧といえる形でプラネタリウムは幕を閉じました。やり遂げたという思い、これで終わりだという寂しさ、様々な思いが胸に込み上げ、涙がこぼれました。最終公演後に星座絵を全て同時に点灯してみせたときは部員からも驚嘆の声が聞こえました。星座絵を統括してきた身としては、最高の気分でした!

時間もないので片付けを急ぎます。ドームはあっという間にしぼみ、展示のパネルも一瞬で解体され、終わるときは早いのだなあとしみじみしました。体育館が元通り空になっていくのは非現実的にも思えて、駒場祭が終わったという実感はついに湧いてきませんでした。
ですが、実感はなくとも28代のプラネタリウムはこれで終わり。来年は29代が作り上げてくれるであろうもっときれいな星空に期待をしつつ筆をおきます…
最後までお読みいただきありがとうございました。

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posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記

駒場祭回顧3 @こうとう機長


こんばんは、恒星投影機(こうとう)の機長をしておりました森兼です。広報担当もしておりました。さて、天文部最大のイベントであるプラネタリウムは今年も無事成功を収めることができました!それについて振り返っていきますが、駒場祭当日の模様は他の人が書いてくれたこともあり、僕はこうとうにフォーカスして振り返ろうと思います。こうとうとはプラネタリウムの中で、一等星と天の川以外のすべての星を映している投影機です。以下こうとうで通します。


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引継ぎ(4月)から振り返るとキリがないし、こうとうが本格始動した8月から振り返ってもやっぱキリがないので、やはり駒場祭前日からのスタートですね。
こうとうは例年作業量が多く前日、あるいは当日までもつれこむのですが、今年は特にギリギリでした。どうギリギリかはさておき、こうとう以外の人がみんな前日準備に奔走するなかこうとうだけなんにも手伝わず無限にチマチマやっていてとても申し訳なかったのを覚えています。

そんなわけでいろんな人に迷惑をかけつつ、時間ぎりぎりまで準備、調整した結果何とか星空が完成しました。こうとうの調整は例年大変に時間をとっているのですが、今年はとある改善をいたしまして、早く終わる……はずだったのが僕の段取りが下手くそすぎて結局プラマイゼロでした。かなc。

こうとうはじめメインの投影機は、1日目、2日目の公演後もさらに調整を挟みます。再調整、再々調整です。初日の星空は「星座が結びづらい」とのことで、「星座を結ぶ星だけちょこっとデカくする」セコい作業をしていました。セコいですが、うちのこうとうはどうしたって実際の空よりコントラストはつきにくいので仕方がないことでした。
おかげか2日目、3日目の星空はとっても星座が結びやすく好評でした!プラネタリウムは星座が結べないとマジで面白くない(たぶん)(神話鑑賞会になりそう)のでここでなんとか改善できてよかったです。微妙にずれていた星座も整えなおし、3日目には無事パーフェクトな星空がととのいました。
こうとうを直すと星座絵いっとうぎんとうも強制的に直すことになるのでそこは本当にすみませんでした。


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こうとうの醍醐味、というか嬉しいポイントはやはり明かりがいっせいに消え、星空が広がった時の お〜〜〜!! ですね。あれだけでやってよかったと思えます。
心なしか日を追うごとに歓声が増してった気がして、頑張って調整しなおした甲斐が……たぶん人が増えただけです。調整関係ないです。けれども公演で、星座を結ぶセリフのときに話す側は自信もってポインター指して、お客さんもこれか!と多分うなずいて、そこで一体感みたいなものが生まれていた気もします。星座でっかくしてよかったです。


作業をしてきていくつか目標をポコポコ立てていたのですが、最後にポコッと立った目標は「星座が結べる星空に!」でした。結局プラネタリウムは星座が結べないとマジで面白くない(たぶん)ので、星のムラをなくすとか、星の像をきれいに、とかよりも最終的には先駆けてデカくしていました。今年は星の数が例年より少なめ、ムラも残っていて完璧ではなかったけれど、しかし納得の出来でした。今年星座わかりやすいねってOBOG何人かおっしゃっていてやったぜと思いました。

前述のとおりいろんな人に迷惑をかけつつ今年のこうとうは完成しました。ありがとうございました。こんな拙文にチョロチョロ時間溶かしているあなたもありがとうございました。
posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記

2017年12月08日

駒場祭回顧2 @ぎんとう機長

こんにちは。銀河投影機(略してぎんとう)の機長だった水田です。ぎんとうのことについてなんとなく回顧したいと思います。
銀河投影機は天の川を投影しています。全天を1周する天の川を4つの投影機に分けて投影しています。特に夏の星空では主役と言えるくらい目立つ天の川を投影できるため、花形投影機の1つと言えると思います。昨年のプラネタリウムを見て、何かしらを投影する投影機に憧れていて、実際にぎんとうの機長になることが出来ました。
3月に引き継ぎがありましたが、27ぎんとう機長の先輩はよく、ぎんとうを「未完の投影機」とおっしゃっていました。レンズ式にしたのは27代が最初なのでそうおっしゃっていたのだと思いますが、僕はもうほとんど改善するとこなんてないのでは、とその時思いました。そんな中で僕が改善してみようと思ったところは、天の川の長さを合わせることと、昨年よりも見た目に近い自然な天の川にすることでした。
ぎんとうはおそらく一番作業量が少ない投影機で、順調に進んでいたはずだったのですが、リハーサルで長さの計算を間違えていて、短すぎるということがわかりすべて作り直したりしていました、結局あんまり楽できなかったですね。
今年の主な改善点としては、原板の大きさを変え、質のいいレンズを購入し、またピントを調整しやすくする機構を新たに作りました。
前日準備ではこうとう、いっとうの後に位置とピントの調整がありましたが、レンズの収差の影響か、端が暗くて見えなかったため、実質的な長さを短くせざるを得ないことがここでわかりました。結局、長さが足りなくてカシオペヤ座あたりに天の川の切れ目ができてしまいました。まあ実際の星空でもあのあたりは全然見えないし別にいいかなあと。さて、1つ修理して後で調整ということになったのですが、修理を終えて雰囲気で位置を合わせて調整を待っているうちに寝てしまい、気が付いたら補助投影機の調整が始まっていました。調整がほぼ出来ていない中で最初の公演になったので天の川が変な位置にあったらどうしようか不安で仕方なかったのですが、案外ずれてなかったらしいです。よかった。
2日目以降は、おそらく調整はうまくいっていたと思います。ピントをしっかり調整できるようにしたことで、天の川のぼやけ方の調整ができるようになって、質感を再現できたのではと思っています。ドーム内で公演を見ていた時は、自分でも見とれてしまうくらい美しくできたと思いました。部員や見に来てくださった先輩方に天の川綺麗だったと言われたときはとても嬉しかったです。
最終公演のあと、達成感と満足感が大きかったと同時に、もうこんな星空を作ることもないと思うと寂しくもありました。ですがそんな余韻に浸る暇もなく片付けやら決算やらに明け暮れていたら、いつの間にか引退していました。

ぎんとうはレンズ式になってまだ2年目ということもあって、長い歴史のある他の投影機にくらべるとまだ作り方が確立されていない投影機だったように思います。その分自分たちで改善できる余地が大きい投影機でもありました。いろいろと実験をして試行錯誤して、というのはちょっとしんどい時もありましたが結構楽しかったです。特に、新しい機構を試してうまくいったときはとても嬉しかったです。
ぎんとうのメンバーをはじめとして、支えてくれた部員のみんなには感謝しています。いろいろな人が支えてくれるのはとても幸せでした。本当にありがとうございました。
posted by 天文部 at 21:00| Comment(0) | 日記